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2006/02/24

きつねのでんわボックス

先週のこと。1年生の息子に、

「ねえママ、”きつねのでんわボックス”って知ってる?」

と聞かれた私。どうやらそれは、学校で先生が読み聞かせをしてくれた、本のタイトルのようです。「ママはその本、知らないなあ」と言うと、

「あのね、ちょっと悲しいお話なんだけどね。こぎつねが死んじゃってね、かあさんぎつねは人間の男の子に会ってね、その男の子は入院しているお母さんに、いつも電話ボックスから電話してるの。それでね、きつねは心でお話してて、男の子はカレーを食べたりしてるの。でも、電話ボックスが壊れちゃって、きつねはでんわボックスに変身して、それで人間の男の子はあまいにおいがして・・・(中略)・・・なんかね、いいお話だったんだ。」

はっきり言って、息子の説明では、一体何の話なんだかまるで意味不明。でも、その熱心な話しぶりから、すごく気になる物語だということはわかり、早速本屋さんで探してきました。ありました、”小学校1・2年生向け”のコーナーに。「きつねのでんわボックス」(戸田和代・金の星社)。

本を買った足で、息子のスイミングへ。進級テストの様子を観覧しながら、「どれどれ・・・」と、まず私ひとりで読んでみることにしました。すると、ページをめくっていくうちに、どんどん胸が苦しくなり、気づくと涙が。隣では娘が、ジュースのパックからストローを引っこ抜いて振り回したりしているのに、そんな状況でもなお、私の目からはじわじわと涙が溢れてしまうのです。

母親が、子供の話に耳を傾けるときの、幸福感。
子供が、母親に話を聞いてもらう時の、満たされた気持ち。

そういう感情が私の心にジーンとしみて、切なさが次々と涙に変わってしまい、私は場所も考えずに、1人でコソコソと泣いていました。

kitsunenodenwabox また、このお話の舞台は、山のふもとにある古い電話ボックスなのですが、そこから入院中のお母さんに電話をする人間の男の子の姿というのが、なんだかうちの息子の姿と重なるのです。
うちの息子も、学校から帰ってくる途中、よく公衆電話から私に電話をかけてきます。「困ったことがあったら電話するのよ」と言ってあるのに、息子の用件は、
「バスの中でTちゃんに、チョコレートもらった」
とか、
「生活の時間に絵の具を使ってたら、Sちゃんの制服に着いちゃって、先生を呼んだ」
とか、
「今日はSくんやIくんと、地獄のアスレチック(なんじゃそりゃ)を作った」
とか、たいてい家に帰ってきて話せばいいようなことばかり。でも、息子としては、とにかく早く私に話したくって、わざわざ電話ボックスに立ち寄るようなのです。

娘の止まらないおしゃべりに、息子の要領を得ない説明。イライラして適当に聞き流すこともあるダメな私だけど、でもやっぱり、いつだってママは、君たちの声を聞いていたいのよ。だから、死んだこぎつねに”会いたい”と願い、人間の男の子と心で会話をするかあさんぎつねの気持ち、ママにはすっごくよくわかるわ。

本屋さんでは、”小学校1・2年生向け”のコーナーに置いてあるこの本ですが、私は、”子供を育てている、すべてのお父さん、お母さん向け”の本だと思いました。息子が私にこの本に出会わせてくれたことを、心から感謝しています。

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コメント

asaponさん、こんばんは♪
すごく読みたくなりました~!素敵なお話を読み聞かせてくれる先生も素敵だけど、そのお話に感動してasaponさんに同じお話を共有して欲しくて一生懸命伝えるお子様も素敵!そしてお子様のお話を聞いてすぐに本を探して読むasaponさんも素晴らしい~!
素敵なエピソードを聞かせていただいて、心が温まりました。ありがとうございました。
お子様の電話、とてもかわいらしいですね♪

投稿: yoshiko | 2006/02/24 21:54

>yoshikoさん
おはようございまーす!昨日のフィギュアの興奮がまだ冷めやらない私です(^^)
この本、1996年発行ということで、結構新しい本なんですよね。なので全然知らなかったです。とても優しいお話でした。yoshikoさんも機会があったら、手にとって見てくださいね♪
そうそう、うちの息子は、いつも「ぼく、ぼく」と言って電話をかけてくるので、その電話は”ぼくぼく詐欺”と呼ばれています(笑)電話をかけてるうちにバスを乗り過ごしたり、定期券を電話ボックスに忘れてきたりと、何かとお騒がせなヤツです…(汗)でも、こういう温かさを忘れちゃいけないんだよな、これこそが育児の醍醐味だよなと、この本を読んで思い直しました。
yoshikoさんオススメの児童書も、もっとたくさん知りたいです。またたくさん教えてくださいね!

投稿: asapon | 2006/02/25 07:48

アタシもこの話聞いたことがある!!
どんなストーリーかは忘れてたけど・・・
昔は、感動するものにも感動してやるもんかって変な意地張っちゃってたけど、今読んだら、泣いちゃうだろうな。。。(笑)

投稿: のぶのぶ | 2006/02/25 23:02

うろ覚えなんですけど,,,,NHK教育のテレビ絵本のほうでなく,「おはなしのくに」か,「こどもにんぎょうげき」で,このおはなしを最近やっていて,感動しました。
たしか朗読は長山藍子さん。
すごくすごく感動して,娘と見ながら私だけ,ボーボー泣いたのを覚えています。
私の子たちは元気有り余る状態で、今はいない我が子にこがれるほどの気持ち、なかなか持たないけど、母狐の気持ちを思うとやっぱり私も胸がいたくなります。
番組を見て泣いた時、隣できょとんとしてる娘を抱きしめてしまいました。
この子をいとおしむ気持ち、大事にしていきたい・・・と思った当日から、また結局怒りんぼかあさんに戻りました。。
私ってだめだめ。。。

だけど本当に素敵なお話ですよね。
私も本で読みたくなっちゃった、、、探しにいっちゃお!

投稿: カズーイ+ | 2006/02/26 06:52

>のぶのぶさん
コメント、ありがとうございます!うんうん、純粋に感動するものって、若い頃はつい斜に構えてしまったりしますよね。人の親になると、そういう変な角が取れると言うか…。
この”きつねのでんわボックス”も、素直にいいお話でした。まだ息子と一緒には読んでないのだけど、読み聞かせをしたら、途中でやっぱり泣いてしまいそうです。のぶのぶさんも機会があったら手にとってみてくださいね。

>カズーイ+さん
そうそう!このお話、「おはなしのくに」でやっていたらしいですね。私は見ていないのだけど、この本について調べていたら判明。私も見たかったなあ…。長山藍子さんの朗読、素敵だったろうなあ…。
少し長いお話だけれど、カズーイ+さんのお子さんにも、充分読み聞かせできるのではないでしょうか。こういう長いお話を少しずつ読み聞かせする、というのも、なかなかオツです(^^)
ホント、バタバタと毎日を過ごしていると、しみじみ子供をいとおしむ時間ってなかなかなかったりしますよね。この本を読んで、大切なものを思い出しました。またカズーイ+さんの感想も聞かせてくださいね!

投稿: asapon | 2006/02/26 08:28

asaponさん、おはようございます。
暖かいかと思うと寒かったり、体調管理に気を使う日々です。
きつねのでんわボックス・・息子さんが教えてくれる様子も、asaponさんが涙する気持ちも、よく伝わってきて、この本読んでみたくなりました。
息子さんも、自分の姿が重なったのでしょうか?
asaponさんにとって、大切な1冊になりそうですね^^。

投稿: シェレン | 2006/02/27 08:40

>シェレンさん
おはようございます!ほんと、三寒四温な毎日ですが、シェレンさんはお変わりありませんか??
シェレンさんのおっしゃるとおり、また大切な本が1冊増えました(^^)絵本や本って、感覚を研ぎ澄ましていないと、いい出会いもなんとなく通り過ぎてしまうことってないですか??子供が生まれて、絵本がコミュニケーションのツールになって以来、私の本に対する嗅覚は確実に上がったような気がします(笑)これからもいい出会いがたくさんあるといいな。
それにこの本、ほんわかとした、とても優しいお話なので、シェレンさんにピッタリかもしれないです。お嬢さんにも、少しずつなら読み聞かせできるかな。ぜひ読まれたら、感想を教えてくださいね。

投稿: asapon | 2006/02/27 09:58

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