重松清「小学五年生」(文芸春秋)
重松清さんの「小学五年生」(文芸春秋)を読みました。
「読んで良かった」と、心の底から思う読書でした。
この本には17の短編が収められていて、それぞれに、小学五年生の「少年」が登場します。
弟が入院間近の少年。
お父さんを亡くした少年。
お母さんが入院中の少年。
学級委員に、絶対なりたくないけど、選ばれたい少年。
バレンタインデーにチョコレートをもわなくてもいいけど、もらいたい少年。
転校する少年。
友達が転校した少年。
・・・そう、転校に関する描写はもう圧巻。
私自身も、幼稚園から中学までの間に3回転校したので、ほんとよくわかります。
あの、“忘れられないのに忘れていく。。。”という空気感。あれを言葉にしてしまうなんて、見事だなあ~と感心しました。
筆に力のある作家さんは、とるに足らない日常を言葉にしても、決してただの絵日記にはならない、ということを改めて思い出しました。
そして、この本が「中学入試に良く出る本」にしょっちゅうランキングされるのも納得です。「棒線アと同じ意味の言葉を、文章中から10字で抜き出しなさい」などと勝手に問題を作りながら読みました。
息子にも本当に読んで欲しい1冊です。
最近、体育でマット運動をしている息子は、家でもふと見ると逆立ちばかりしていますが、「逆さま状態でいいからこの本は読みなさい。」と言っておきました。
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